パスワード強度チェック
パスワード強度チェックでは、文字数・文字種・推定エントロピー・既知の弱いパターンから安全性の目安を診断します。新しいパスワードを作る機能ではなく、候補の弱点を見直すためのツールです。重要なアカウントの実物は避け、特徴を再現した近似サンプルでお試しください。
入力された内容はこのブラウザの中だけで処理され、どこにも送信・保存されません。
パスワードを入力すると、推定強度・弱点・総当たり解読の目安時間がその場で表示されます。
強度診断アルゴリズムの仕組み
このパスワード強度チェックは、入力された文字列のエントロピー(情報量)を計算し、総当たり攻撃に対する理論的な耐性を評価します。エントロピーはビット数で表され、次の公式で算出されます:
エントロピー(ビット) = log2(文字種数文字数)
例:16文字の英数字パスワード(62種類)
→ log2(6216) ≈ 95.27 ビット
文字種の判定:入力された文字列を解析し、実際に含まれている文字種(英大文字・英小文字・数字・記号)を自動判定します。例えば「Password123」は英大文字1種+英小文字26種+数字10種の計37種として計算され、全4種を使った場合(94種)より低い強度と評価されます。
総当たり攻撃の時間推定:1秒間に100億回のパスワード試行が可能な高性能攻撃環境を想定し、全組合せを試すのに要する時間を計算します。40ビット以下は「弱い」、40-60ビットは「やや弱い」、60-80ビットは「普通」、80-100ビットは「強い」、100ビット以上は「非常に強い」と分類します。ただし、これはあくまで理論上の目安であり、実際の安全性はサービス側の試行回数制限や多要素認証の有無に大きく依存します。
よくある弱いパターンと実例
① 辞書単語ベースのパスワード
「password」「welcome」「admin」のような辞書に載っている単語は、攻撃者が最初に試す候補リストに含まれています。NordPassの2023年調査では、「password」は世界で490万回以上使用され、解読時間は1秒未満とされています。末尾に数字を付けた「password123」「welcome2024」も同様に危険です。辞書攻撃(Dictionary Attack)では、数万〜数百万の単語リストを高速に試行するため、長さがあってもランダム性がなければ簡単に破られます。
② 連続・反復パターン
「123456」「abcdef」「qwerty」(キーボード配列順)、「aaaaaa」(同じ文字の反復)は、パターン認識攻撃で即座に検出されます。SplashDataの調査では、「123456」は過去10年以上連続で最も使われたパスワードの1位であり、攻撃者のブルートフォースツールには必ず含まれています。エントロピー計算上は一定のビット数があっても、実際の解読難易度は極めて低くなります。
③ 個人情報の組み合わせ
誕生日(19900515)、名前(tanaka)、ペットの名前、住所の一部など、公開情報や推測可能な情報を含むパスワードは、ソーシャルエンジニアリング攻撃の対象になります。FacebookやInstagramのプロフィールから誕生日・ペット・趣味などの情報を収集し、それらを組み合わせたパスワードを優先的に試す手法が一般化しています。IPAは「個人情報を含むパスワードは避ける」ことを明確に推奨しています。
④ 短すぎるパスワード
8文字以下のパスワードは、文字種をすべて使っても52ビット以下のエントロピーしか持たず、現代のGPUクラスタでは数日〜数週間で解読可能です。NIST SP 800-63Bでは、ユーザー作成パスワードの最小長を8文字、システム生成パスワードは6文字以上と規定していますが、これはあくまで「最低限」であり、実用上は16文字以上が推奨されます。
理論強度と実際の安全性の違い
当サイトの診断ツールが示す「強度」は、数学的・理論的な総当たり攻撃耐性です。実際のセキュリティは、以下の要因にも大きく左右されます:
- サービス側の対策:ログイン試行回数制限(5回失敗でロック)、CAPTCHA、多要素認証(MFA)、アカウントロックアウト機能があれば、総当たり攻撃は事実上不可能になります。
- パスワードハッシュの強度:サービスがbcrypt、Argon2、PBKDF2などの遅いハッシュ関数を使用していれば、仮にデータベースが漏洩しても解読に膨大な時間がかかります。逆に、MD5やSHA-1などの高速ハッシュでは危険です。
- 使い回しの有無:他のサービスで同じパスワードを使っている場合、そのサービスから漏洩すれば「パスワードリスト攻撃」で即座に不正ログインされます。理論強度が高くても、使い回しは致命的です。
- 過去の漏洩データベース:Have I Been Pwnedには100億件以上の漏洩パスワードが登録されており、攻撃者はまずこれらを試します。当サイトでは漏洩確認機能は提供していませんが、気になる方は専用サービスをご利用ください。
診断結果「強い」でも油断しない:エントロピーが80ビット以上あっても、辞書単語を含む・他サービスと使い回している・フィッシング詐欺で直接盗まれる、といったリスクは別に存在します。パスワードの強度向上は多層防御の1つであり、パスワードマネージャー・MFA・フィッシング対策を併用することが重要です。
診断結果が弱かった場合の対処法
診断で「弱い」「やや弱い」と表示された場合、以下の手順で改善してください:
ステップ1:新しいパスワードを生成
現在のパスワードを修正するのではなく、パスワード生成ツールで完全にランダムな新しいパスワードを作成してください。「標準」モード、16文字以上、英大文字・英小文字・数字・記号をすべて有効にするのが推奨設定です。
ステップ2:パスワードマネージャーに保存
生成したパスワードは人間が記憶できないため、パスワードマネージャー(1Password、Bitwarden、Google パスワード マネージャーなど)に保存します。マスターパスワード1つを覚えれば、あとは自動入力されます。
ステップ3:サービス側で変更
対象のWebサービスにログインし、「設定」→「パスワード変更」から新しいパスワードに更新します。変更後は、パスワードマネージャーに保存したパスワードで正常にログインできることを確認してください。
ステップ4:多要素認証(MFA)を有効化
パスワードを強化しても、フィッシング詐欺で盗まれるリスクは残ります。重要なアカウント(銀行・メール・SNS)では、多要素認証(SMS認証・認証アプリ・セキュリティキー)を必ず有効にしてください。
パスワード強度チェックでわかること・わからないこと
わかること:文字数・文字種の組み合わせから算出した理論上のエントロピー(ビット数)、それに基づく総当たり攻撃の目安時間、よく使われすぎている文字列や連続パターンの有無です。
わからないこと:そのパスワードがすでに漏洩・流出しているかどうかは判定できません。漏洩の有無を確認したい場合は、Have I Been Pwnedなどの専用サービスの利用をご検討ください(当サイトでは入力内容を外部に送信する仕組みは提供していません)。
入力前の注意:診断文字列を当サイトへ送信しなくても、悪意のあるブラウザ拡張機能、画面共有、キーロガー、クリップボード履歴などの端末側リスクは残ります。実際に利用中の秘密情報を貼り付ける必要はありません。
診断結果が良くなかった場合:「パスワード生成ツール」で、より安全なパスワードを新しく作成することをおすすめします。